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専門家に学ぶ 第2回 もっとカルシウム もっともっとマグネシウム ミネラル摂取について 糸川 嘉則先生との出会い
マグネシウムの欠乏症

マグネシウムは摂取量が不足している場合には、腎による調節機構が発動し、尿中排泄が低下して欠乏を防止し、急性の欠乏症状は知られていない。
理論的には摂取不足、吸収不良、排泄増大などにより、マグネシウムが不足する。
実際には、マグネシウム喪失性利尿薬の服用などの薬剤の関与、生活習慣病危険因子の関与などにより腎臓からの排泄が増加し、慢性的な欠乏が生ずると考えられている。
マグネシウムの欠乏症状は多岐にわたると考えられるが、マグネシウムが不足した場合に骨に貯蔵されているマグネシウムが動員され、同時に多量のカルシウムが遊離し、マグネシウムの低下した細胞に入り込み、細胞機能を低下させることが、マグネシウム欠乏の一面である。
マグネシウムの投与により改善する病態では、病態の背景に慢性的なマグネシウム欠乏が存在していると考えられるので、不足症状はそれらの病態と深くかかわっていると考えられる。表7・5にそれらを列記する。

表7・5 マグネシウムの投与により改善する病態

(マグネシウム欠乏症状として考えられるもの)

骨格 骨粗鬆症
脳神経、血管、神経筋 めまい、抑うつ、無感情、偏頭痛、興奮性筋力低下、脱力感、クボスティック徴候、筋れん縮、テタニー振戦、運動失調
心循環器 高血圧、虚血性心疾患、不整脈、血管石灰化
呼吸器 呼吸困難、しわがれ声
消化器 ストレス性潰瘍、便秘、食欲低下
泌尿器 腎結石
皮膚 皮膚の紅潮
代謝 糖尿病、痛風

必ずしも一致した見解ではない。

出典 ミネラルの事典 215ページ
編集 糸川 嘉則



1998年に「調理によるビタミン損耗」という記事を新聞で読みました。その記事を探して、糸川先生のご著書『最新ビタミン学 — 基礎知識と栄養実践の手引き』(フットワーク出版 発行)で学ばせていただきました。
糸川先生が編集された『ミネラルの事典』(朝倉書店 発行)からも多くのことを学びました。ミネラルは奥が深く、種類も多く、素人には難解です。
事典を開けば、「わからない事の連続といってよい有様で、はてなマークばかりです。「具体的にもう少しわかりやすくお教えいただきたい」と、糸川先生にお便りさせて頂きました。世界的にご活躍されておられる糸川先生が一市民にすぎない私のような者に、会ってくださいました。

「ミネラルの事典の、ここのところがわかりません」と、糸川先生のご本を開きましたら、知りたいところに貼った付箋の数が多くて、糸川先生は「こんなに私の本を勉強したのですか?」とびっくりされて、親切に教えてくださいました。

私:「先生、ミネラルを含むお水でお茶をいれると、香りや旨みが引き立ちます。それは何故でしょうか?」

先生:「浸透圧の関係でしょう。」

私:「は~あ?」
(素人には、理解の扉が開いたかな・・・何となくしかわかりません )

私:「先生、ミネラルと酵素の関係は?」

先生:「それはね、酵素の中心には、各酵素によっていろいろなミネラルがあり、そのミネラルが少なければ、酵素の働きに、影響すると言えますね。」

その後も、京都のご自宅にお伺いさせていただいたり、日本マグネシウム学会などで、ご指導いただいております。

糸川先生のお陰で、最先端の先生方のご研究に触れさせていただき、幸せです。
多くの種類のミネラルは、お互いに助け合って、体内で働いているそうです。
もしも、カルシウムやマグネシウムの中に自分が入って、体中を動いてみることができたなら、きっと、とても忙しく働く様子が見えて、ミネラルに感謝してしまうでしょう。
ミネラルの働きは神秘的です。

カルシウムが脂肪と合うと変化します。
その理由を糸川先生におたずねしました。
「石けんが出来るのです」と先生は言われました。
「ジェームス・スカラ先生のご本にあるようなことがおこるのですか?」とたずねますと
「そうですよ」と先生はおっしゃいました。
「先生、石けんというと私たちが一般的に思い浮かべるあの、白い石けんですか?」
と不思議な気持ちになってお聞きしました。
「そうですよ あの石けんと同じようなものです」

スカラ先生の『新・実用ビタミン栄養学』をご紹介します。

カルシウムと食物繊維

カルシウムは、脂肪に含まれる脂肪酸や胆汁酸と結合し、不溶性の「石けん」を作ります。
「石けん」は、牛肉や豚肉、牛乳、チーズなどから得られる分子量の大きい脂肪酸、または胆汁酸とカルシウムが結合したものです。
この「石けん」は、水には溶けず、便中に排泄されます。
つまり、カルシウムと食物繊維を十分に摂取すれば過剰な脂肪と胆汁酸を排泄できるのです。
また、カルシウムは、過剰な脂肪の排泄を促すため、穏やかなコレステロール低下作用もあります。

出典 新・実用ビタミン栄養学
小学館
原著作者 j・スカラ

著者の略歴

James Scala

コロンビア大学で教養課程を修めた後、コーネル大学で生化学を専攻し博士号を取得、その後ハーバード大学で研究生活に入る。
博士の研究は、理論と実践の場で調和を図りながら深められた。
現在、アメリカの国立栄養大学の特別研究員、英国栄養学会、英国栄養協会、英国細胞生物学協会の評議員などをつとめる。
著書に「ビタミン・コネクション実用ビタミン栄養学」など多数。

 

そして糸川先生は、

「ミネラルは、バランスが大切」と言われ、
「もっとカルシウム もっと もっとマグネシウム」と教えてくださいます。

糸川先生は、国民全体の健康のことを、いつも視野にいれておられます。
温かいお人柄にひかれます。

沖縄サンゴ株式会社 代表取締役
北村惠子

糸川 嘉則(いとかわ よしのり)先生のプロフィール
京都大学名誉教授、
福井県立大学大学院看護福祉学研究科長
1959年
京都大学医学部医学科卒業。
1979年
京都大学医学部(衛生学教室)教授。
1997年
京都大学定年退官、同大学名誉教授。
1999年
福井県立大学大学院看護福祉学部学部長。
2003年
福井県立大学大学院看護福祉学研究科長。
専門は衛生学。
日本マグネシウム研究会名誉理事長、日本微量栄養素研究会会長などを務める。
1975年
日本ビタミン学会奨励賞
1987年
日本栄養食糧学会賞
1992年
ベルツ賞
1996年
紫綬褒章を受章
2000年
日本栄養食糧学会功労賞受賞

出典:『医療従事者のための【完全版】サプリメント機能性食品ガイド』
株式会社 講談社 発行